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2024.05.30

【企業徹底解説!】「香港デジタル金融サービス事業支援ファンド」の最終借手であるFinance One Limited 代表者インタビュー

  • Bankersの潮流

 Bankers(バンカーズ)では、2023年より香港に所在するFinance One Limited(以下「FO社」)を実質的な借手とする「香港デジタル金融サービス事業支援ファンド(旧:香港消費者ローン事業支援ファンド)」シリーズの販売を続けて参りました。本シリーズにおける累計出資金額は35億円弱となり、人気商品の1つとして多くの投資家さまに運用いただいております。
今回、FO社についてより深くご理解いただくために、Directorである豊武 寛子氏(HIROKO TOYOTAKE)にインタビューを実施いたしました!企業の強みや今後の展望などについて伺うことができましたので、ぜひご一読ください。

FO社について教えてください

香港オフィスのビル

 FO社は2010年に香港で設立され、現地のローカルの方々に小口の融資を行うレンディング事業を営んでおります。本年、2024年で設立から15年目になる会社です。

 事業開始当時、香港にあったレンディング事業者は、店舗網を構える対面型でした。FO社は日本のノウハウを持ち込み、すべてのサービスを自社webサイト等のオンラインで提供する、香港初の非対面型レンディング事業者としてスタートしました。すべてのサービスをオンラインで提供することにより、効率的かつ合理的なコストでの運営を可能にしています。

 現在は、お客様はもちろん、同業者からも高い評価を受けており、ビジネスモデルを模倣される立場にあります。ただし、後発企業は顧客認知のためのマーケティングコスト増と、与信スコアリングのデータ蓄積やその他ノウハウの違いによる貸倒コスト増によって、その運営は簡単ではないと理解しています。

小口のレンディング事業の特徴やFO社の強みを教えてください

エントランスとオフィスの様子

 小口のレンディング事業は、収益を生む資産である債権が小さく分かれています。そのため、資産が一定の規模になるまでは手間がかかりますが、収益を生む規模になると、リスクが小口に分散されているため、非常に安定した資産となります。

 FO社の強みは、①香港初の非対面型レンディング事業者で先駆者であること②当初から運営上重要なシステムやネットマーケティングを内製化していること③日本で培われたノウハウを持ち込み、更に香港で積み重ねてきたデータと経験を駆使した与信によるリスクコントロールがあること④スタッフの勤務年数が長く安定した運営を可能にしていることです。

リスクコントロールについてもう少し詳しく教えていただけますか?

 徹底していることは【データを活用しながらもそれに頼りきらず、柔軟かつ迅速に】です。2019年~2023年は、香港のみならず世界的にも、新型コロナウイルスを含め本当に多くの社会的な出来事がありましたが、この間もFO社は安定した運営をすることができました。これは、まさにデータを大切にしながらも過去にとらわれず、目の前の状況を見ながら、柔軟かつ迅速に与信をコントロールできた結果だと考えています。日本の親会社とも毎週会議をしながら、香港の状況を話し合い、迅速な判断を心がけています。

現在、FO社は何名の従業員で運営されているのですか?

年末の社員とのクリスマスパーティーの様子。着席中央の女性がHIROKO TOYOTAKE氏であり、社員とのコミュニケーションを大切にしています。

 約50名です。香港はターンオーバーの激しい労働環境でキャリアアップのために長くても2~3年で転職を考える人が主流ですが、ありがたいことにFO社は6割が平均勤続年数5年以上の方が多く、この点も安定した事業運営に寄与しています。女性マネージャーの割合が50%と、ダイバーシティーにも富んでいます。

香港でのマネジメントが上手くいっているポイントはどんなところでしょうか

 弊社にフィットする人材の選考から退職時面談まで、人材管理には一番力を入れています。ディレクター就任後、リーダー育成に重点を置き、面接の仕方から、選考方法、トレーニング、パフォーマンス管理、コミュニケーションの取り方、スタッフ評価の仕方などの教育を徹底的に行いました。今の状況に満足せずに常に改善を頭に入れ行動できるようになったリーダー達のおかげで、問題発見から解決までが早いのもうまくいっている理由の1つだと言えます。

 スタッフのパフォーマンスは定量的に管理されており、基準値を下回った場合は迅速にそのスタッフのための改善プランを立て面談を行い、モチベーション向上につながるようなコミュニケーションをとることを全体で心がけています。

香港の市場についてはどうですか?

有名なビクトリアピークからの「100万ドルの夜景」は多くの観光客で賑わいます。

 香港経済にとって重要な観光やビジネスでの人の往来は、新型コロナウイルス等を経て、それ以前と比較した場合では減少したのは事実です。ただし、私たちがサービスを提供しているお客様はローカルの方々で、この方々の生活は、以前のような平穏な日常に戻っていると感じています。失業率はコロナ以前に戻ってきているほか、先月は香港への訪問者が前年同月比で40%増加しています。これから徐々に一定の回復をしていくと思います。

日本で資金を調達する理由、メリットはなんでしょうか

 まず、銀行などから調達する方法が思い浮かぶかと思いますが、そもそも銀行は傘下に巨大なノンバンク事業を保有していることが多く、ノンバンクへの融資は、傘下の事業であるか大手または上場企業相当の規模でない限り積極的には行いません。これは香港だけでなく、日本でも、世界でも共通していると思います。それ以外の調達方法だと大変金利が高くなり、期待されるリターンは15%以上だと思います。

私たちは、親会社が日本法人ということもあり、日本の貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)での調達を長年続けてきましたが、調達金利の水準としてメリットがあります。香港ドルは米ドルとペッグされていますので、現在の円安基調により、そのメリットは大きくなっています。

今後の展望を教えてください

 昨年は撤退する事業者の資産を買収することで、一定の成長ができました。ただし、日々の融資業務においては、香港市場が回復局面であることから、収益拡大のため果敢に融資するのではなく、お客さまの状況を見ながら慎重にニーズに応えていくフェーズだと考えています。しかし、時間とともに必ず良い機会が訪れますので、その際は積極的に成長のアクセルを踏みたいと思います。

また、FO社のチームには優秀な人材がそろっているので様々な可能性があり、今後も新しいことにも果敢にチャレンジしていきたいと思います。

Finance One Limited:Director 豊武 寛子(HIROKO TOYOTAKE)

 2009年、米国のUniversity of Nevada, Las Vegas(Magna Cum Laude)を卒業後、同国にて人気アパレルであるアバクロンビー&フィッチ社に入社し、ニューヨーク、シンガポールの旗艦店、日本での初出店となる銀座店と福岡店の立ち上げに携わる。主に採用やトレーニング、ストア全体のオペレーション等のマネジメント業務に従事。2013年からマーケティングリサーチを行うアルバトロスグルーバルソリューションズ社にてプロジェクトマネージャーとして世界16か国の支社と連携しながら、日本支社の50%以上のプロジェクトを遂行した。
 その後、マイクロソフト社のマーケティング部でスタートアップ企業向けのイベント開催やウェブサイトの立ち上げ業務に従事したのち、2016年にFinance One Limitedに入社し、2017年より現職。

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